ケミカルピーリングの種類
《ニキビ・ニキビ跡治療》
ケミカルピーリングの浸透度
ニキビやニキビ跡治療には
「ピーリング」という治療法があります。
中でも、クリニックでメジャーに行われるのが
ケミカルピーリングです。
肌に酸性の薬剤を塗布して、
余分な角質を取り除く方法です。
皮膚にどこまで浸透させるかは、
ピーリング薬剤の種類によって変わってきます。
■肌の基本構造について
人間の肌は表皮と真皮、
そして皮下組織の三層からできています。
表皮は上から順に
角質層、顆粒層、有棘層、基底層と4つの層からできて
真皮へとつながるのです。
基本的にケミカルピーリングの薬剤は
表皮に主に働きかけます。
しかし、治療目的によって
真皮に作用させる必要のある場合も。
例えば、陥没性のニキビ跡では
表面だけを整えても改善にはつながらないのです。
この場合は、
肌の弾力に関係する真皮に働きかけることが必要です。
■ピーリングの薬剤と浸透度について
1.最浅層ピーリング(very superficial peeling)
浅層ピール(superficial peeling)
...表皮角質層から基底層まで
肌はターンオーバーをくりかえしていますが、
これが乱れると様々な肌トラブルを招きます。
このピーリングでは
肌表面のニキビ跡などのトラブルを改善する
表皮異形成、色素沈着シミ除去が目的です。
・使用する薬剤
...AHA(20%~30%)、サリチル酸(20%~30%)、ジェスナー液、TCA(10%~20%)
使用する薬剤は比較的マイルドなので
ピーリング後の回復も早いです。
2. 中間深層ピール(medium-depth peeling)
...表皮全層と真皮乳頭層(表皮と真皮の境目)まで
この部分のピーリングは
表皮の基底層に滞ったままのメラニン排出の効果があります。
ニキビ跡やシミの改善、ターンオーバーも促すので
重症化したニキビ治療にも効果が期待できます。
・使用する薬剤
...TCA(35%~50%)、グリコール酸(50%~70%)
使用する薬剤の濃度が高く
日本人の肌には刺激が強いので、
日本ではこのピーリングを行っている医療機関は
限られています。
3. 深層ピール(deep peeling)
...表皮と真皮乳頭層および網状層まで (真皮層全体)
真皮はコラーゲンやエラスチン、
ヒアルロン酸などを含んでいます。
この部分にダメージがあると
色素沈着や深いシワなどのトラブルとなります。
このピーリングでは
色素沈着ややけど痕に高い効果が期待できます。
・使用する薬剤
...フェノール、TCA(60%以上)、ベーカーゴードン液
この薬剤は
日本にピーリングが導入された初期の頃は主流でしたが、
副作用が多く、この手法をピーリングとして行っている
医療機関は現在はほとんどありません。